「メーカーを見る目を養うガイダンス」講演者のアンジェラ（株）笠井です。
「納得のいく会社選び」をされることを心より願っています。
2019年4月からLINEアカウントで、毎月2～4回程度、
「①メーカーを見る目」と「②発想力を自ら鍛えるノウハウ」を発信しています。
そして、このサイトにも掲載します。
「②発想力を自ら鍛えるノウハウ」は私の本業です。
日立製作所、パナソニック、 NTTドコモ、住友商事など約60社に私が提供しているノウハウを発信します。
お楽しみに・・・
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自己資本比率(%)( = 自己資本 ÷ 総資本 × 100)は総資本に占める自己資本の比率を現します。自己資本比が高いと自己の意思で経営を出来ますが、低いと他人資本が大きいので他人の影響を受けやすくなります。
https://minkabu.jp/financial_item_ranking/capital_ratio?industry=5250&order=asc&page=1
このサイトの“表示条件”で検索して見て下さい。「全株式市場・電気機器業・低い順」で検索したらNEC29.1%、パナソニック31.8%、 日立製作所33.9%でした。「情報通信業」ではSBG(ソフトバンク)は21.1%ですね。
さて、この数字の評価のものさしですが、「決算書.com」では「70%以上なら理想企業、40%以上なら倒産しにくい企業」と書かれています。他のサイトでは「50%前後超えで超優良、20~30%くらいでもよい印象」と巾がありますが、他の意見も幅があります。
また、注意したいのは、ソフトバンク21.1%と低いですが、営業利益の総額が2兆円超えていますので借金を返済すれば自己資本比率を高められます。孫氏は自己資本比率ではなく、損益分岐点比率を重視しています。実際にはF/M比率(固定費÷粗利益)という評価法ですが、次回に説明します。
行列していた安い飲食店が突然閉店するのは、売上が少し下がっただけで赤字になるからです。売上が下がると材料費など変動費は下がりますが、人件費、家賃、金利など固定費は下がりません。年間売上900万円が黒字になる損益分岐売上額で実際の売上が1000万円なら損益分岐点比率90%、安全余裕率10%と言います。格安飲食店は損益分岐点比率が高い(安全余裕率が低い)のです。多くの製造業は80%〜90%くらいで80%以下になれば安全水域と言われています。損益計算書から数字を拾って計算は面倒です。考え方で予想出来ます。焼肉屋は肉を冷凍で長期間保存できて、焼き肉の相場は高いですね。だから意外に焼肉屋は潰れません。郊外の紳士服店は潰れませんね。家賃が安く販売員は少なく売れ残った服を翌年売ってもバレません。婦人服はバレます。
会社の理想は『 経費に対して高い価格で売ること』と『経費削減すること』。FA(工場自動化)機器は高額で売れます。 ファナックではロボットがロボットを製造しており製造人件費が極端に少なく、キーエンスは製造を外注(変動費)化しており製造の固定費(設備、製造人件費)がとても少ないのです。さらに社員の年収の約30%〜50%は営業利益連動型(変動費化)しています。なんと売上が50%減少しても赤字になりません。すごい経営ですね。
IOT BigData AI、それに5Gが加わり、多くの企業には、新たな機会になります。
5Gは自動運転・ゲームだけでなく、遠隔手術や建機.農機の遠隔操作などBtoBでも活用されます。
総務省は場所を限定して許可される『ローカル5G』を通信会社以外に割り当てるとしました。パナソニック、NECに続き、日立、三菱、富士通などが資格を取得するでしょう。FA業界の第一人者の三菱電機はどのような『工場のロカール5G』を構築するでしょうか。
「だれに何の価値を」提供するために「どのようなシステム」を構築するのか、その巧みな企画力が明暗を分けます。巧みな企画とは「大きな価値」「競争力のあるシステム」です。
皆さんが見ている会社がイノベーションを起こすのか起こさないのか、それは、これまでのイノベーションの実績を調べて下さい。これまで果敢にチャレンジしてきた会社は、機会を獲得しようと動きます。
第3回目情報発信で「三菱電機はどのような工場のローカル5Gを構築するか」と発信しました。6月17日日経新聞一面に「ものづくりデータ取引、三菱電機・安川電機など100社連携」「BlockChain技術で管理」と掲載されました。なぜ三菱電機なのか?5G、BlockChainがどう関係するのか?説明します。
工場でSensorが検知した情報はPLC(Programmable Logic Controller)に取込み、そこからHostComputer(HC)にData送信したり、工作機械に動けと指示をOutputしたりしています。PLCはいわば EdgeComputerです。PLCの世界シェアはSIEMENS(33.6%)、Rockwell(20.8%)、三菱電機(13.7%)です。国内では三菱電機＞オムロン＞富士電機＞横河電機＞キーエンスですが上位3社が圧倒的なシェアを維持しています。重工業・エネルギー・工場では情報のInputの流れは｛IOT⇒5G⇒PLC⇒BigData⇒AI⇒HC⇒BlockChain}となります。三菱電機は工場でプラットフォーマーとなれる可能性があります。課題は高い価値をOutput出来るかどうかです。
BtoBはBtoCに比べて規模は小さいですが、営業利益率が高い会社が多いです。それは、競争相手が限られ、供給過剰による低価格競争が起きないからです。
しかし、あらゆるBtoBがそうではありません。『メーカーを見る目を養うガイダンス』で講演しましたが、とても重要なことなので、再度お伝えします。
車のコーナーセンサーはBtoB商品ですが、低収益です。それは『なぜ売れているか分かりやすい』『顧客が簡単にブランドチェンジ』できるからです。日立製作所は営業利益率8％ですが、車部品事業は3％しかありません。
内視鏡などの医療機、産業用の製造装置や検査機、業務用ソフトウェアは、『なぜ売れているのか分からない』『顧客がブランドチェンジしにくい』ので既存企業だけで市場を維持しており安定した収益を上げています。
BtoBメーカーを見るときは『売れている理由が分かりにくいか』『何を持って競争力を維持しているのか』を見切って下さい。
皆さん、志望している会社の業績が悪化していることに不安になっていませんか？。
2019年4月から6月の第一四半期の業績が連日新聞に掲載されていますが、ほとんどのメーカーが対前年比マイナスになっています。原因は米中貿易戦争とはっきりしていますね。
入社する前の皆さんが心配してもどうしようもありません。「考えてもどうしようもないことは考えない」ようにしましょう。考えてもどうしようもないことは考えないようにするというストレス耐性力は社会人には必須です。
「私ならこうする」と対策を考えることは良いことです。「米中貿易戦争でチャンスの産業は？企業は？」と考えることもよいでしょう。
単に「不安だ、落ち込む！」というストレスを抱え込むことは避けましょう。
ところで、日本の上場企業は、2016年3月から2019年3月期まで4年連続『4社に1社が最高益』でした。 皆さんが志望している会社は2020年3月期に減益になっても数年前の利益になるだけということも十分ありえます。
日本メーカーにとって米中貿易戦争以外は、プラスの社会・経済情勢にあります。
「新興国の拡大、自動運転、あらゆるものを繋げる、5G、人手不足対応」などの社会情勢は膨大な量のIOTセンサー、マイコンを必要とします。それに、自動機、ロボット、システムの需要も拡大します。
「4〜5年周期で好不況を繰り返す“半導体サイクル”は、継続的に成長する“スーパーサイクル”に入る」と多くのエコノミストが予想しています。
皆さん、不安が頭をもたげているのであれば、海に泳ぎにいきましょう！
「クリティカル・シンキング」という思考がビジネス界では定着しています。「クリティカル・シンキング」とは「健全な批判的、懐疑的思考」ということ。
例えば「特許戦略はどうなっていますか」と学生さんがメーカーに質問しています。特許戦略は必須と思い込まれています。
実は、特許を出すということは技術が丸裸になるということです。ライバルは特許に抵触しない抜け道の技術を見つけ対抗してきます。なので、あえて特許を出さないことで、技術のブラックボックス化戦略をとるメーカーも少なくありません。
同じように「M&A（合併・買収）を前向きな経営活動」のように一般的には捉えられています。ところが、日経新聞7月18日の記事ですが「M&Aに絡む損失が2018年度は世界で約1550億ドル（16兆円強）で2008年の金融危機後で最大となった」ということです。
M&Aは「多角化」または「選択と集中」のための手段です。「事業の“多角化”と“選択と集中”は正反対」です。どちらも成功例も失敗例もあるのです。
さらに、最近「人工知能が株式投資をする」と話題になりましたが、日経新聞8月3日、衝撃的な記事が掲載されました。「日興リサーチセンターがAI投資信託10本を対象に2018年6月末時点の直近1年間の基準価格の騰落率を調べたところ10本ともマイナスだった」ということです。
私が思うに、たとえば「『トランプが中国は為替操作国だ』と発言しただけで株価が暴落する、そんな人間の論理的ではないヒステリックな感情の振れ幅をAIは経験したことがなく読めない」ということだと思います。「AIを導入」では、「多くの会社がAI導入投資に見合った利益を得られていない」との記事も掲載されました。
「特許戦略」「M&A」「AI投資信託」「AI導入」、いずれも疑うことなく良い動きと思い込んでしまいますね。
では私たちは何を信じたらいいのでしょうか。それは「丸ごと信じるのではなく、健全に疑う」ということです。
“健全に”というのは、発言者の肩書やあるいはマスコミの偏見、思い込みに洗脳されずに、冷静に客観的に論理的に事実に基づき、人間の愚かな感情も推察し、反対側からも考える」ということです。
それを滋賀県のOPTEX社の創業者小林氏は簡潔な言葉で発しておられました。それは「一人ディベートしたか？」。ディベートは賛成派と否定派が分かれて議論する論理思考のバトルですね。「一人ディベートとは、賛成と否定のディベートを自分一人で行え」ということです。
“言うは易し行うは難し”ですが、皆さん、意識して健全に疑いましょう！
「水道の蛇口の内側に5円玉のような部品を装着すれば、人がいつもと同じように蛇口をひねっても水量を半分に減らせる。」そんな商品をあるメーカーは部品の原価10円に2円の利益を乗せて12円で販売した。ある商社はその商品を100個1200円で購入し、年間1000万円以上の水道料金を払っている大規模病院、大型店舗、大学などに『初期費用はゼロ円で、水道料金を半額に減らすので、減らした額の半分を毎月徴収する』ことを提案し、一つの施設から年間250万円の徴収を10年間以上続けている。」
・・・これは私が15年前に大手メーカーで講演したときの寓話です。
これが、私が言いたい『メーカー2.0』の一つの事業モデルです。
携帯電話を製造していた日本のメーカーはいずれも赤字に転落し撤退しましたね。しかし、ドコモ、ソフトバンク、AUは莫大な利益を上げ続けています。
コピー機メーカーはどうでしょうか。キヤノン、リコー、ゼロックスは企業向けに、コピー機を販売せず1枚2.5円×使用枚数という事業モデルで3社とも黒字経営です。
ブラザー工業は一般消費者向けに安く複合機を販売しインク・トナーで稼いでいます。
つまりメーカーは「モノづくりは手段であり、いかに顧客価値を生み出し、自社もしっかり収益を上げる事業モデルをデザインするか」が問われているのです。
先日台風で飛ばされ池に浮かぶ太陽光パネルをテレビのニュースで見て思い出したことがあります。
それは、自然エネルギー発電電気買取り制度がスタートした頃に、パナソニック社で1000人ほどの技術者と経営層の皆様に講演した内容です。
「ところで、太陽光発電パネルの売り切りをされていますが、それが正しい事業形態でしょうか。利益もですがリスクも買い手に丸投げですね。想定外の、例えば椋鳥が多い地域で鳥の糞被害や観測史上最大級の風による被害など、リスクを買い手側に丸投げしてますね。利益もリスクも買い手と共に向き合うことを考えようとしたことはありますか。頭の中が売り切りビジネスにどっぷり浸っていませんか。」
また、日産自動車で質問しました。
「一回の充電で160km走行するリーフですが、フル充電を300回繰り返した後は何キロ走れますか？箱根の山を真冬に暖房つけながら走ったら何キロ走れますか？」
この私の質問にメーカーの方は回答を避けました。
なぜ、先が読めない部分がある新しいモノをメーカーは売り切りするのでしょうか。
それは、「そういうものだ」と思い込んでいるからです。
ここに先日私がメッセージでお送りした『メーカー2.0』のあり様のヒントがあります。
Appleはmakingしていません。スマホを企画開発し、製造は外部委託して、サービス事業で莫大な利益を上げています。ドコモ、au、ソフトバンクもキーエンスもmakingしていません。
これらの企業は、俗に言う「メーカー」ではありません。
好調な業績を続けるクボタは、農業機械はメーカーですが、軽トラック、ドローン、アシストスーツ、農業ハウスなど100種類以上のモノをクボタ販売会社が売っています。
これは商社機能です。
クボタグループは、メーカーと商社の両方の事業で業績拡大しています。
もちろん、化学や自動車、建築など、確固たる技術の強みで、勝ち続けている会社もたくさんあります。むしろそちらのほうが圧倒的に多いのです。
それでもトヨタの会長は今年初めに「自動車産業は100年に一度の大変革期。車が社会システムの一部になる。」と発言され「変革」を模索されています。
タイヤメーカーも路面情報を収集し全く異なる産業に情報を提供しようとしています。
皆さん、企業の「技術と事業（収益）モデル」と両方に関心を持って下さいね。
皆さん、「メーカーを見る目を養うガイダンス」講演者笠井です。ご友人にご紹介して頂いた方には厚く御礼申し上げます。6月20日の1.7倍の皆様が参加されました。さて、就活に参考になる情報を発信します。
2020/7/3日本経済新聞に売上高研究開発費比率（R&D比率）が掲載されました。記事内でお知らせしたい個所だけ要約します。「研究開発費とは、研究者らの人件費40〜50%、試料代10%、試験装置償却費10%弱といった構成。R&D比率は企業が属する業界の期待成長率と同等。一般的には、半導体15〜20%、車載やロボット5〜10%、家電重電2〜3%、医薬品20%が常識。日本の総合電機は、かつて7〜8%近い時期もあったが、現在は4〜5。IBMやサムスン電子は8%。同じ業界でも会社によって大きく変わる。半導体業界では、ディスコ11％、東京エレクトロン10%、アルバック4%。電子部品業界では、村田製作所7%、京セラ4%。」記事要約は以上です。技術系就職する方には直接関わる数字ですね。「数億円の計測装置が必要」となった場合、買いやすい会社か買いにくい会社か参考になる数値です。ちなみにトヨタ 3.9%、ホンダ 5.4%、日産 4.2%、ソニー 6.0%、日立製作所 3.6%、パナソニック6.1%、デンソー 9.9%、18.8%、キヤノン 8.1%です。ちなみに、アマゾン 12.7%、インテル 20.9%、マイクロソフト 13.7%、アップル 5.1%です。
「メーカーを見る目を養うガイダンス」から情報を発信します。
2020/6/25日本経済新聞１面に『運輸・小売り、今期１割減収で赤字 危機に弱く 損益分岐点分析』が掲載されました。
損益分岐点とは、損益分岐点売上高とも呼ばれ「営業利益がゼロになるときの売上高」です。
損益分岐点比率とは、「実際の売上高と損益分岐点売上高の比率を計算したもの」。売上が下がると材料費など変動費も下がりますが、人件費、家賃、金利など固定費は下がりません。損益分岐売上額900万円で実際の売上が1000万円なら損益分岐点比率90%です。この数字が低いほど赤字になりにくいというこです。
6月25日の新聞内容は・・・「コロナ禍で企業の危機耐性が問われている。損益分岐点比率は、上場企業全体では20年3月期78%。売上22%減で営業赤字になるということ。33業種中、空運・鉄鋼・外食など9業種が90%超え(売上1割減で赤字になる)。医薬44%、通信60%、製造業は75〜81%。JR西日本や日本製鉄、JFEホールディングスは一時帰休を実施し労務費(固定費)を減らす。」
なお、講演者笠井も昨年5月に損益分岐点を投稿しましたので、よければ次のURLでご覧下さい。
https://idc.disc.co.jp/guidance/information/index.html
皆様、「メーカーを見る目を養うガイダンス」です。
「パナソニック、脱モノ売り依存は『現場』に解、米ソフト大手出資で促すＤＸ改革」（DX＝デジタルトランスフォーメーション）【2020/7/13日経新聞掲載】
パナソニックがモノ売りからサービス売り、つまり「価値あるサービスを提供して金銭を継続して頂く事業（＝リカーリング型）」にシフトしよとしていることを書いた記事です。内容はパナソニックに限ったことではありません。『ものづくり信仰』の多くのメーカーに言えることです。是非、当記事をご覧下さい。
2021年3月業績(通期)予想（○○％）は昨年比増減％／2020年8月23日現在
●ビークル・鉄道の落ち込みが大きい
トヨタ、営業利益5000億円(79.2%減)、純利益7300億円(64%減)
ホンダ、営業利益2000億円(68.4%減)、純利益1650億円(64％減)
日産自動車、営業利益、赤字4700億円、連結最終損益、赤字6700億円
三菱自動車、営業利益、赤字1400億円、連結最終損益、赤字3600億円(赤字257億円）
マツダ、営業利益、赤字400億円、連結最終損益、赤字900億円
SUBARU、営業利益800億(62%減)
日野自動車、営業利益20億円(96.4%減)
ヤマハ、事業利益250億円(46%減)
ヤマハ発動機、2020年12月期連結最終損益ゼロ(757億円)
小田急電鉄、連結営業損益、赤字284億円（411億円）
東武鉄道、連結最終損益、赤字82億円
●自動車関連企業の落ち込みが大きい
デンソー、営業利益1000億円(64%増)
アイシン精機、営業利益500億円(11%減)
日本精工、営業利益10億円(96%減)
東海カーボン、営業利益61億円(89%減)
リコー、営業利益100億円(87%減)
豊田自動織機、営業利益600億円(53%減)
トヨタ紡績、営業利益130億円(72.8%減)
豊田合成、営業利益180億円(0.6%増)
ジェイテクト、営業利益、赤字200億円
ブリヂストン、20年12月期営業利益1000億円(70%減)
●エネルギー、鉄、ガラスなど落ち込みが大きい
日本製鉄、連結事業損益、赤字1200億円（赤字2844億円）
国際石油開発帝石、最終損益、赤字1360億円
中部電力、連結経常利益1250億円(35%減)
日本製鉄、営業利益、赤字1200億円
JFEHD、営業利益、赤字1000億円
神戸製鋼、営業利益、赤字350億円（前年度赤字680億円）
●インフラは大型設備投資、激減
日立、営業利益3720億円(43.8%減)
三菱電機、営業利益1200億円(53.8%減) 産業機器減少
パナソニック、営業利益1500億円(49％減)※BtoCの落ち込み
川崎重工業、連結営業損益、赤字300億円(620億円）
古河電気工業、連結営業利益50億円(79％減)
●ＢｔｏＣ電気機器の落ち込みが大きい
カシオ計算機、営業利益60億円(79%減)
キヤノン、2020年12月期通期、純利益430億円(66%減)
ブラザー工業、純利益250億円(50%減)
オムロン、営業利益300億円(45％減) ※ＦＡも落ち込み
ダイキン工業、営業利益1700億円(36%減) ※ＢｔｏＣエアコンは増
●建設・建機・ロボット・ＦＡ機器の落ち込みが大きい
林組、営業利益1190億円(22%減)
鹿島、営業利益1110億円(16%減)
清水建設、営業利益825億円(38%減)
大成建設、営業利益810億円(51.7%減)
コマツ、連結純利益670億円(56%減)
ファナック、営業利益385億円(56％減)、連結純利益345億円(53%減)
不二越、2020年11月期連結業績予想、営業利益35億円（74%減）
THK、営業利益2億円(99％減)
ニコン、連結最終損益、赤字500億円(76億円）※半導体機器も以前から不調
大日本印刷、連結純利益210億円(70%減) 連結経常利益480億円(24.7％減)
東レ、連結業績予想、事業利益700億円(44.0%減) ※車向け、インフラ向け、衣料も減
△小規模投資（小さい機器）は減少巾小さい、計測器、大工道具、小型農機
アンリツ、営業利益175億円(微増)
マキタ、連結純利益373億円(22%減)
ダイフク、営業利益 410億円(同)
王子HD、営業利益900億円(15%減)
クボタ、営業利益1500億円(26%減)
SMC、営業利益920億円(37％減)
帝人、純利益200億円(21%減)
堀場製作所、営業利益150億円(28%減)
三菱ケミカルHD、営業利益1370億円(5%減)
住友化学、営業利益700億円(49%減)
旭化成、営業利益1200億円(32%減)
三井化学、営業利益420億円(35%減)
富士フイルムHD、営業利益1400億円(25％減)
宇部興産、営業利益260億円(23%減)
資生堂、2020年12月期、営業損益はゼロ（前期１１３８億円)
○薬・食品、不景気に強い、在宅特需
武田薬品工業、連結純利益920億円(2.1倍)
日清食品HD、純利益305億円(4%増)
味の素、連結純利益320億円(70%増)
テルモ、連結純利益650億円(24％減)※コロナ禍、カテーテル手術が減少
○半導体、好調維持
東京エレクトロン、純利益2050億円(11%増)
アドバンテスト、連結純利益358億円(33%減) 台湾・中国向け激減
ソニー、営業利益6200億円(27%減)
東芝、営業利益1100億円(15.7％減)
NEC、営業利益1500億円(17.5％増)※５G関連、テレワーク特需でプラス
富士通、営業利益2120億円(0.2%減)
○通信、テレワーク関連は増
NTTドコモ、営業利益8800億円(2.9%増)
NTTデータ、営業利益1200億円(8.4%減)
NTT、営業利益15900億円(1.8%増)
KDDI、営業利益10300億円(0.5%増)、純利益6400億円(同じ)
ソフトバンク、営業利益9200億円(0.9%増)
シャープ、営業利益820億円(55.4%増) ※白物家電増
△市場減少だが、テレワーク機器・半導体が支えて、マイナス幅が小さい
京セラ、営業利益750億円(25%減)、最終損益580億円(18％減)
TDK、営業利益700億円(28.5%減)、純利益480億円(17%減)
村田製作所、営業利益2100億円(17%減)、最終損益5500億円(18％減)
日東電工、最終損益450億円(5％減)
ヒロセ電機、最終損益130億円(15％減)
日本電産、営業利益1250億円(14.6%増)
他
住友商事、最終損益、赤字1500億円
三菱商事、当期利益2000億円(62.6％減)
伊藤忠商事、当期利益4000億円(20.2%減)
ブログ「２０２１年３月期業績予想」をご覧になりいかがですか。皆さんは、「ほとんどの業界が業績を大きく減少する！」、「志望しようと思っていた会社が落ち込む！」などと、暗い気持ちになっていませんか。私は、多くの会社の業績予想を見て、「リーマンショックよりも経済危機なのに、赤字になる会社がこんなに少ないのか」と驚いています。
リーマンショックの２００９年３月期は多くの企業が巨額の営業損益の赤字を出しました。トヨタ△４６１０億円、日立△７８７３億円、東芝△３４３５億円・・・。潰れないのかと心配するほどの巨大な赤字です。そして、企業は、潰れない健全経営を目指して体質改善の構造改革を断行しました。日立は「選択と集中」を掲げ、なんと上場子会社２２社のうち２０社を売却し、安定的に稼げる産業・インフラ・情報のBtoBビジネスへシフトしました。営業利益率８％を超えるまでになりました。三菱電機は、大手電機８社では、最も早くBtoBにシフトして安定経営を続け賞賛されています。ソニーも、BtoBtoCのCMOSセンサーとBtoCのゲーム・音楽映画、そして金融事業に大胆に舵を切って営業利益率１０％を達成しました。東芝は、ハイリスクな原子力発電につまずき、苦しみから、やっと復活の兆しが見えてきたところです。このような大胆な構造改革でコロナ禍に耐え抜こうとしています。他のメーカーも同じで、売上が大幅に落ち込むなか、損益分岐点比率を７０％に改善していた結果、赤字にならない企業が多いのです。もっとも、７月以降の景気を正しく読んだうえでの業績予想なのかは不明です。私は、各社の予想から１０～２０％はマイナスを覚悟する必要はあると思っています。
今回のブログで皆様にお伝えしたいことは、戦後経験したことがない経済危機下、赤字にならないことが凄いことだということです。
ブログ「２０２１年３月期業績予想」をご覧になりましたか。業績が良い業界をマスコミも取り上げていますが、「ヘルスケア、食品関連、半導体製造装置、通信キャリア、テレワーク機器、電子部品」が堅調であり注目ですね。「メーカーを見る目を養うガイダンス」の協賛企業のほとんどが該当します。当会を主宰する者として喜んでいます。
しかし、就職活動する皆さんに、あえて言いたいことは、「業績が良くない会社に対して過剰になり過ぎず冷静に判断して下さい」ということです。１００年の企業活動においては、自分たちの努力では対応できないような禍に遭遇することはどの企業にもあります。今回のコロナ禍、マイナスの影響を受けている企業は、真に良くない企業なのか冷静に判断して下さい。コロナ禍がおさまったとき、復活しないのか。たとえば、ファナック、安川電機などのロボット・工作機械メーカーは、設備投資の抑制から大きく業績が減少します。でも、ロボットは省人化機器です。これまでは車を中心とした工業だけが市場でしたが、高齢化が進む先進国や中国では、商業やサービス業にも市場は拡大します。担い手が不足する第一次産業の農業・漁業・畜産業などでも省人化機器が浸透するでしょう。コロナ禍の影響をもっとも受けているのが輸送ですね。JR東日本は就職先として避けるべきでしょうか。２０２０年４～６月は１７００億円の赤字（営業損益）です。２０２１年３月期は予想不可としていますが、悪く見積もって仮に８０００億円の営業赤字とします。しかし、同社は、２０１４年から２０１９年までの６年間、毎年４４００億円前後という巨額の営業利を上げ続けています。２０２０年３月期でも３８００億円です。同社は２１年卒２２年卒の採用数を大きく減らすでしょう。そして受験者数も激減すると思います。さて、JR東日本を就職先として避けるべきでしょうか。私はそうは思いません。世の中、在宅が進んでも、営業利益２０００億円くらいには復活すると予想できるからです。そして、７万人の社員のなか、希少人材になりえると思うからです。会社も人も希少価値が大切です。
かつて、皆さんの先輩方は、一過性の出来事に、鳥の大群の動きのように、皆と同じ動きをしました。“皆さんは冷静に分析し、そして判断して下さい”ね！
「アルコール漬け脱脂綿が病院にヒットした」という情報からだれでも発想力を鍛えられます。この情報の何が知恵なのか、それは「ヒットした理由」、つまり「アルコールに漬けたから」ですね。この「アルコールに漬けた」という事実を他の仕事にも応用出来るように知恵に変換します。すると「アルコールに漬ける“手間を省いた”」という個別事実を“○○する手間を省く”と汎用化します。
大工さん向けの商材を提供する会社なら「切っておく」「塗っておく」「穴を空けておく」と応用発想出来すね。
また、意図的に“○○する手間を省く”事例を多く知りたいと思えば、事例が多い業界から情報を得ます。食品業界では、スライスチーズ“切っておく”、カルピスウォーター“混ぜておく”など数多くあります。数多く集めることで発想する触媒が多く貯まりますね。
さらに、“○○する手間を省く”の“○○する”は動詞なので、あらゆる動詞を先入観無しになんでも当てはめてみます。「伸ばしておく」「縮めておく」「圧縮しておく」「輝かせておく」・・・そうやって、“○○する手間を省く”という知恵の触媒を多く自分の頭の引出しに貯めるのです。その引出しを持って、自動車の生産現場に立つと他の人より「手間を省く」についてはいろいろと早く発想出来ます。次回もお楽しみに！
今回は好例を2つ発信しますので、「好例を知恵に変換する」ことにチャレンジして下さい。「アルコール漬け脱脂綿」を「手間を省いた」と読み取るのは難易度が低いレベルでしたが、今回はやや難しいですよ。
≪問1≫『北海道合板（株）は、フローリング床木材に使う接着剤にグラファイトなどの導電性物質を混ぜて、熱源からの熱伝導率を20%高めた床暖房を開発した』
≪問2≫『豚の感染症を予防するために繁殖力が強い納豆菌を豚舎で噴霧し、大腸菌の餌を納豆菌が食いつくすことで、大腸菌を死滅させた』
まずは、知恵に変換すべき個所はどこか捉えます。次に知恵に変換します。
1週間後に私の回答を示しますので、ご自分で考えて実際に知恵（言葉）にして下さい。すっきり納得の行く言葉は見つかりません。『これが一番マシかな？』で構いません。（このような暗黙知を形式知に変換することは難しく、概念化力と呼び社会人のあらゆる職種に求められている重要スキルです。）
次の2つの好例は何が知恵なのでしょうか？
≪問1≫『北海道合板（株）は、フローリング床木材に使う［接着剤］にグラファイトなどの［導電性物質を混ぜて］、熱源からの熱伝導率を20%高めた床暖房を開発した』
この好例では「接着剤に導電性物質を混ぜた」ことが知恵の個所です。
丁寧に説明すると、フローリング材は厚い木材1枚ではなく薄い木材を3枚重ね合わせています。理由は薄い木材3枚のほうが厚い1枚よりコストが安いことと、薄い板だと“撓む（たわむ）”ので足に優しいからです。北海道の一般的な4人家族の冬場のエネルギー費用は1ケ月5万円を超えます。そこで、床暖房の「熱源の熱伝導率を高める」ために、主材料である木材が絶縁体で電気を通さないため、板と板を重ね合わせる「接着剤に導電性物質を混ぜた」ことが知恵の個所です。これを知恵に変換すると、「化学材料に付加機能を加えた」となります。あるいは「副材料に付加機能を加えた」でも良いでしょう。なぜ「化学材料」に目を付けたのか、それは「簡単な作業ですむから」です。つまり「費用（作業費）対効果が良い」からです。以上の知恵表現を体系化すると、一番下の一次層の知恵表現は「費用対効果が良い」で、その上の二次層の知恵表現は「簡単な作業ですむ」、そして三次層の知恵表現は「化学材料に付加機能を加えた」となります。
≪問2≫『豚の感染症を予防するために繁殖力が強い［納豆菌を豚舎で噴霧し、大腸菌の餌を納豆菌が食いつくす］ことで、大腸菌を死滅させた』というこの好例では、［ ］内が知恵の個所です。
「熱伝導率を20%高めた床暖房」も「大腸菌を死滅させた」も知恵の個所に加えても良いですが、それは目的であり、ミニマムな知恵の個所は手段です。さらにミニマム化すると「納豆菌を豚舎で噴霧」だけになります。さて、これを知恵化すると一次層は「費用対効果が良い」、二次層は「直接ではなく間接的な解決策を見出した」となります。「対象物に直接対処するのではなく、対象物に間接的に対処する解決策を見出した」という表現でも良いですが、これは二次層を詳しく言っただけで三次層ではありません。
さて、皆さん気づかれましたね。問1と問2は一次層では「費用対効果が良い」と同じです。2次層は異なります。
ところで、納豆菌の二次層「直接ではなく間接的な解決策を見出した」は「本庶佑教授のがん免疫療法」を知恵化すると同じ知恵表現になります。そして、三次層になると、「豚舎に納豆菌噴霧」と「本庶佑、がん免疫療法」とは異なります。この違いは？
次回投稿しますね。お楽しみに！
知恵は1次層、2次層、3次層というように階層に表現できます。
2つの好例、「豚の感染症を予防するために繁殖力が強い納豆菌を豚舎で噴霧し、大腸菌の餌を納豆菌が食いつくすことで、大腸菌を死滅させた」と「免疫が働くのを抑えるブレーキの役割を果たしていたPD-1を発見し、免疫が、がん細胞を攻撃できるようにPD-1のブレーキの役割を取り除く新しいタイプの治療薬オプジーボという薬の開発につなげた」があります。
この2つの好例は、1次層は「費用対効果が良い」、2次層は「直接ではなく間接的な解決策を見出した」、3次層は「マイナス効果を働かせている原因を取り除いた」としました。しかし、この３次層の表現では２つの好例とも当てはまります。そこで4次層で、違いを無理やり表現しました。
“何を”取り除いたのか、“どうやって”取り除いたのか、“何が”取り除いてくれたのか、などから核心を選びます。“何を”だと、「悪玉の生きるモノ（餌）」取り除いた、「悪玉を守っていたモノ（PD1）」を取り除いた、と言えます。“どうやって”だと、「自然界のモノ（納豆菌）」で取り除いた、となりますが、「オプジーボ」って何でしょうか？
以上が知恵を読み取るということですが、言葉に使う言語に限界があり、スッキリ出来ませんね。しかし、限られた言葉の中から一番マシな言葉で概念化して、そして具体的な事例と共に持つことで知恵として使えるようになります。
ところで、数式、化学式や元素などの記号は、言葉で知恵化するよりも使いやすいというので、生まれたとも言えるかも知れませんね。
さて、この発信のあと、以上の説明を図にしたものを送信します。
今回は、就活中の皆さんにお薦めの本と動画をご紹介します。
『FACT FULLNESS』です。すでにご存知の方も多いと思いますが。この本は、ビル・ゲイツが、「アメリカ国内で希望する大学生全員にプレゼントする」と推薦して話題になりました。
ボリュームがある本なので、就活中の皆さんには今の時期、読むのは大変かと思います。
そこで、以下YouTubeでご覧下さい。著者の講演を見られます。英語です。
「ハック大学」とやらが、日本語で要約してくれています。分かりやすいので、この動画お薦めです。是非、ご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=y6vz7Ce3nLk&t=2s